と滞在後記 Welcome to my homepage
と滞在後記
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up date | February 22, 2023 | (追記:2023年7月24日、2023年10月7日） | 作者へのメール nisei2580@nifty.com |
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39-(4) ウクライナ避難民家族と （4） с буженцами из Украины 2023年3月から |
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| 1 | 2022年2月以前 | 8 | 住居を見に来る | 15 | 長男マハ | 21 | 夫セミョーン | 9『陽庵』 |
| 2 | 2023年2月ｰ6月 | 9 | 『陽庵』 | 16 | マハの虫歯 | 22 | 2023年6月から | 19『陽庵』2 |
| 3 | フェイスブックで | 10 | 引っ越し | 17 | マハ、続き | 23 | テレビ取材 | |
| 4 | 住居の勧誘 | 11 | マリヴァの仕事 | 18 | アツシ | 24 | 個人情報 | |
| 5 | マリヴァのフェイスブック | 12 | 保育園、学校 | 19 | 『 陽庵』2 | 25 | F市支援者からの情報 | |
| 6 | マリヴァとのメール | 13 | ベビーシッター | 20 | シンジさん | 26 | 富士山登山と敷金 | |
| 7 | マリヴァ母子の日本到着 | 14 | 初めの頃の交友 | 27 | それなりに興味深い不調 | |||
| 21．夫セミョーン | ||||||||||
３月中頃には、本当にマリヴァの夫のセミョーンが、我が家の貸家（旧母屋）に住むようになった。もうそろそろ来るという頃、マリヴァはさすが掃除しようと思ったようだ。金沢市には福祉事業の一環として小さい子供のいる家庭には市営公園の遊具のチケットや、市営プールの入場券の他にも市営の施設で子供を数時間預かるというチケットや、家事のお手伝いをしますというチケットが配られている。マリヴァは家事手伝いのチケットというのを覚えていて、どこかにしまったはずのそのチケットを探してみたが、見つからなかったらしい（そうだろうな）。私に、その福祉関係の連絡方法を聞いたが、私も知らない（以前は、彼女からの依頼はかなえようと，必死になって調べまくったものだが）。掃除するなら、今度の日曜日にでも手伝ってあげましょうと申し出た。マリヴァに家を貸した７ヶ月前には数万円でプロの掃除屋に頼んで、まずまずの状態にしておいたはずだ。しかし、今マリヴァ家のゴミ屋敷はかなりのものになってしまっている。
その日、私は自分の掃除機を持ってマリヴァの家に行ってみると、未知の女性が台所の掃除をやり始めている。F 市のまち子さんの知り合いの知り合いの知り合いだと言う。つまり、マリヴァは今でも連絡があるまち子さんに、『ウクライナ避難民のために』家事手伝いをボランティアでしてくれる誰かを頼んだらしい。まち子さんさんは知り合いをたどったのだろう。一発で見つけることは難しい。つまり、はじめに依頼を受けた知り合いが、自分の知り合いを当たって・・・と言うわけだ。まち子さんのネットワークもたいしたものだが、『ウクライナ避難民』の支援と言うだけで、その言葉の威力は恐るべきものだ。 彼女がゴミ屋敷同然のマリヴァ宅の台所をなんとか整頓している間、私は気になっていた子供部屋の万年床の布団を上げた。マリヴァは、｢ほらカビなんて生えていないじゃない｣と言ったが、かびが目に見えるとは限らない。ロキが寝ていたあたりにはおねしょの跡があった。寝るときは紙おむつをしていたのかどうか知らない。２,３才の子がおねしょをするのは普通だ。しかし、その布団をそのまま何ヶ月も敷きっぱなしにしておくのは普通ではない。布団は不燃物ゴミの日に捨てるほかない。またシーツ類も、洗濯するよう頼んだ。毛布類や枕はコインランドリーに行くよう助言する。 ちなみに、後のことだが、セミョーンが住むようになると、たまに、用事で屋内に入ってみると、トイレと風呂場と洗面所以外は，つまり室内は整頓されていた。 セミョーンが家族と合流できるかも知れないという話は、実は、前の年からあったのだ。60才未満のウクライナ男性は国外に出られないと言うが、３人の子持ちは例外だ。また。セミョーンは徴兵されたのではなく志願したのだそうだ（何か意味がありそうだ）。当初は、羽咋のオルネンコさんも、マリヴァの夫の来日はあまり可能性のある話ではないと言っていた。自分と比べたのかも知れない。が、年が明ける頃、マリヴァがうれしそうに、セミョーンが来るかも知れない、と話してくれたものだ。 元々私がこの家をマリヴァに貸したのは、セミョーンのフェイス・ブックを見たからだ。そして家の間取りや地図や写真などを私から送られて、マリヴァにこの家を勧めたのはセミョーンだ。なぜ勧めたのか。無料で住める公営住宅があるにもかかわらず、有料の民家を選んだのは、家が広くて日本風庭園があり、自分が合流することになっても快適だと思ったからだろう。つまり、最初から合流する予定だったのだろう。セミョーンの配属場所はあまり危険でないウクライナ西部にいた。（背中と腕にドラゴンの入れ墨のあるセミョーン・・・
２月になり、セミョーンが除隊してポーランドにいるという知らせがあり（ポーランドで剣道教室に通っている写真がフェイスブックにあった）、日本入国ビザが発行されるのも、もう近いという頃、地元の新聞社が記事を取りたがった。地元の新聞社はマリヴァ達が来たときから、マリヴァが量販店(ＤＨ店)に勤める(棚に商品を並べる仕事)ようになったときから、ずっと記事を取っている。毎日マハの宿題をボランティアで見てあげている私も取材されたくらいだ。 セミョーンは政府招待避難民（多分）なので、入国すると、東京で手続きしなければならない。それで、日本財団招待の(身元保障人がいてビザ取得していた)マリヴァが直ぐこちらに来たのとは異なって、まずは東京へ行かなければならなかったのだ。その頃には私もセミョーンのフェイス・ブックに久しぶりに投稿するようになり、メッセンジャーでも文通するようになっていたので、大雑把な動向はわかっていたのだ。セミョーンはしばらくは東京近辺の指定されたホテルから動けないそうだ。 数日後、一時的な許可が出て、家族に会いに行ってもよいと言うことになった。その日には、駅まで、記者が来た。実は、私もセミョーンからこの日に金沢へ行くという知らせがあったので、駅まで迎えに行きましょうかと申し出ておいたのだ。記者が来ると知っていたら、そんな余計なお世話はしなかった。セミョーンから車があるなら来てほしいと言われて、マリヴァを乗せていったのだ。子供３人も乗れたが、私の軽自動車の定員は大人４人だと言っておいたので、セミョーンがマリヴァにそれを伝えたらしく、子供達は家で待っていることになった。 その方がまだましだった。
私と握手したとき、セミョーンは軽くありがとうと言ったように覚えている。言わなかったのかも知れない。迎えに来てくれてありがとうだったのか、妻子が8ヶ月も世話になってありがとうだったのか不明。後にだんだんわかってきたことだが、セミョーンは尊大だ。偉そうに構えていて、何でもサービスを受けるのが当然と思っている所もあると、私はその時、ちらっと思った。避難民貴族にもうなってしまったのか。（ウクライナ難民だと言うだけで、ちやほやして世話を焼きたがる受け入れ先の人やマスコミも悪いんだ）。 私はいい加減帰りたくて、抱き合っているマリヴァとセミョーンをせかした。記者とカメラマンは、そんなことはできないだろうから，私があえてやった。記者やカメラマンはタクシーで、パパを出迎える子供達の様子を撮りに先にマリヴァ宅へ向かったらしい。私は２人を乗せてゆっくり運転していた。キエフはどんな様子かと、二人で後部座席に座っているセミョーンに聞くと、全く平穏だという答え。人々は普通に生活している、学校も店も役所も開いているし、交通機関も普通に動いている、のだそうだ、しかし。子供達の万一のためには避難している方がいいそうだ。ふうん。 家の近くにはタクシーが止まっていた。セミョーンが、家に近づくと、すでに玄関前で待ち構えた子供達が一斉に、「パパァー」と叫んで寄ってきて抱きつく。そこを、タクシーで一足先に来たらしいカメラマンが盛んにフラッシュをたいて撮っている。その横を、しらけた私は通り過ぎて自分の家に入った。それは３月17日金曜日の夜８時過ぎのことだった。 日曜日、シンジさんが教会へ行くためにマリヴァ一家を迎えに来た。アツシのいない今、マリヴァにとって付き合いは、シンジさんと、彼を通じて知り合った英語話し手の教会関係者だけなのか。 それから、毎日曜日、シンジさんが迎えに来て教会へ行ったらしい。 借家の彼らの家の廊下の壁ににペンキを塗りたさなければならず、私はずっと後まわしにしていた。その壁の下には穴が開いていて、ひとまずパテを塗り込んだままになっていた。アツシが訪れるようになったからだ。しかし、セミョーンも落ち着いた4月頃、今度の日曜日には後回しにしていたペンキ塗りをやってしまおうと、セミョーンにＳＮＳのメッセンジャーを出した。「いいですよ、私たちはいませんが」という返事。「バプテストの教会へ行くのですか」と書くと、「そうです、私たちの友人と」。そこで私は｢アツシさんと？それともシンジさんと？｣と書いた。 泊まっていくアツシについては、セミョーンが来るしばらく前、マリヴァに口止めされていた。他人の個人的なことだし、ただのスキャンダルだし、私は｢言わない｣と返事したものだ。セミョーンはアツシの名前ぐらいは知っていても不思議はないと思って、何気なく（本当は故意に）書いてみたのだ。答えはもちろん、シンジさんと。しかし、最近のシンジさんのフェイス・ブックによると、『生理』のため下腹部痛が激しいとか言う。直接、私への電話でも、彼は下腹部痛がひどくて伏せっていると言っていたのだ。とても、誰かを乗せてどこかへ行くようではないという文面のフェイス・ブックだった。それで、セミョーンのＳＮＳにシンジさんは腹痛が激しいようだがと書いた。｢彼は健康である｣という返事。 ならば、男性なのに生理痛という話は、どうなんだ？そこで、シンジさんの生理だというトイレの写真入りのフェイス・ブックのコピーを送った。そんなこと（シンジさんが精神を病んでいると言うこと）は知っているというセミョーンの返事。「では、男性で生理のある自分は両性具有とか、それはイエス・キリストの証拠であり、自分の体内には聖母マリヴァがいる。ウクライナのマリヴァは、聖書にあるマグダラのマリヴァである、と言っていることも知っていますか」と書いたのだ。マグダラのマリヴァの意味をシンジさんは始めと終わりでは異なった意味で使っている。宗教学者を自称するセミョーンにわかったかどうか知らない。バプテスト教会へ一緒に行った友達を「アツシさんとですか、シンジさんとですか」と何気ない風に聞いた意味をわかったかどうかも知らないが、ここで、強烈な返事が来た。いくら外国語で書かれていても、私には、辛辣さむき出しだとわかるロシア語で｢かまってくれるな、誰と付き合おうと我々の勝手だ｣とあって、私はここで、セミョーンが自分の不在中に妻が誰とどんな風に付き合っていたか知っていて（気づいていて）、それは誰にも言われたくないのだとわかったのだ。しかし、彼のむき出しの乱暴な言い方には腹が立った。マリヴァが来て以来、どれくらい私がマリヴァやその子供達の世話をしたか知れない。つまり、かまっていた。セミョーンのこの言い方は礼儀を欠いている。または受け入れ先（家主のこと）の私に極度の悪意を最初から抱いていると思った。彼が抱いている悪意は、その後も、SNSの文通に何度か現われている。大家の私の気をわざわざ自分の方から悪くして、何の得だと思っているのか。それができるのも私がロシア語で書いているからだ。日本語しか知らない相手には言い様がないだろう。 直接の話題がシンジさんのことだったので、私は、確かに誰と付き合おうがあなた方の勝手だが、彼をこの敷地内に入れないでほしいと、返事した。これは私がシンジさんにではなく、セミョーンに怒っていると言うことだが、「シンジさんが犯罪を起こしたというなら警察を呼べばいい。私たちは彼と付き合う」という返事。誰と付き合おうと彼らの勝手だ。だが、この辺まで来ると文通はエスカレートして、敷地内というのは私有地だから、その私有地に所有者の許可なしで入ると不法侵入罪になります、と返事するまでになった。本当のところ、借家はそうでないだろうが。彼のいきなりの鋭い反動には、彼生来の性格が表れていると私には思えた。（生来の性格だから、ウクライナ極右だからとか、内輪太鼓をたたく僧侶になったからとは言ってない） この時まで、マリヴァの頼みをどれだけ聞いてあげたか、かまってあげたか知れないが、かまってくれるなという以上は、今後はかまわない。マハの学校のこともかまわない。と言うことになって、実は、この成り行きに満足したのだ。自分たちにかまってくれるな、だが、学校関係は、通訳して連絡係になってほしいというのは、虫がよすぎる。私がかまわないことで、誰が得して誰が損するというのか。 その後、学校のマハの学級担任から、相談があるから両親と一緒に来てほしいという連絡があったが、私は、今後は関わらないと、断った。担任から、今までやってくれたのに、いきなり断られても困りますというのんきなことを言われたが、今までは全くのボランティアでやっていたことです。もう止めます。と言ったのでさすがわかっただろう。（後述；その後の学校関係） 保証人の宮田さんから、セミョーンだけを連れて、自分のペンションへ遊びに来てほしいというライン･メールを受け取っていたので、３者の都合のいい日を選んで出かけることにした。宮田さんはマリヴァの行状については前記のように、2022年7月の彼女の到着の数日後以来、大憤慨していた。泊まっていくアツシのことや、マリヴァの育児嫌い家事嫌いのことは、私から、さもありなんと聞いていた。それらすべてのことは全部セミョーンに言ってやると息巻いていた。身元保証人も１年の期限が来たら止める(実はその前に止めるとも)と断言していた。 しかし、セミョーンが実際に到着してからは、前言をいとも簡単に翻した。宮田さんが断固としてセミョーンに言ってやると言っていたことが、実はセミョーンに言うことではない、ということになった。だったら、前に勢いのよいことを言わなければよかったのに。（後にテレビ局の取材に関しても，似たような勢いのよいことを言っていた。つまり、テレビの取材者を自分の所によこしてくれるなら洗いざらい言ってやる、と。これは本気に取らない方がよいと、無視した） さらに、中心人物の寺山さんが、セミョーンの来日に合わせ、帰国して、関東の仏教Ｎ宗Ｓ系の行事に、セミョーン達を招待するとか、その後東京見物させるとか、合計２週間も招待したとか言うフェイス・ブックの記事を読んで、・・・パスワード付ウェヴサイト（5）へ 前記のように、３月中頃には、政府招待で来日直後は東京に来て手続きをしていたセミョーンも、一時的だがKZ市に来ることになり、４月初めには、手続きも終わったのか、ＫＺ市に住所を移した。家賃は3000円増やしてもらった。そのことは、前からマリヴァも承知している。宮田さん達は１万円ほども上げればいいではないかと言っていたが、私は控えた。それを後々後悔した。次回の契約更新では倍にする。 |
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| 22．2023年6月から |
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| セミョーンとマリヴァのテルリス一家は3才のロキまでみんな自転車を乗り回している。車のないマリヴァには、引っ越し早々に私の２台ある自転車の１台を貸してあげた。乗ってみると入り口のゴムが緩くで空気が入らなかったのだが、その程度の不具合は私の知り合いに頼んで500円で修理してもらった。セミョーンの自転車はチューブを交換しなければならないらしく、自転車屋さんに持って行くと4000円と言われたそうだ。自転車の値段より高いと思ったマリヴァは、かつて500円で修理した私の知り合いに、頼んでほしいと言ってきた。知り合いは、後輪チューブ交換は500円ではできないと笑う。 （後記：テルリス家は避難民を標榜しているのでその後、自転車の寄付もあったらしい。しかし、何台もあると置き場所に困るだろうが？） 2022年夏、マリヴァ達が我が家の借家に越してきた当時は、寺山さんや宮田さんの苦言を聞いても、ウクライナ難民のマリヴァ母子を世話してあげたいと張り切っていた私だが、数ヶ月後には、距離を置き、夫のセミョーンが合流してからは、いくら母屋と離れという近距離に住んでいても、顔を合わせることは少なくなり、滅多に『かまわ』なくなった。私を見ると「タカコサーン」と寄ってくる3才のロキ君のお相手するのもつらいから。 我々の家族にかまってくれるな、というセミョーンのメール以来、学校関係からは手を引いた。しかし、時々は困り果てたらしい学校から電話があるので、学校のために、マリヴァ達の家族にかまってあげている。またマリヴァから、読めない、わからないというお知らせも、読んであげて『かまって』あげている。沖縄より南のほぼ熱帯の島々にも飛行場があるかと、聞かれたので，どの島まで飛行機で行けるか教えてあげた。 ずっと後になるが、マハの小児歯科医から，治療は一応終わっているが、永久歯が生えてくる場所を確保するための器具も入れてあるから定期的にクリーニングに来るようにという電話も突然かかってきた。 2023年6月中頃、セミョーンから『明日から9日間、休暇を取って家を留守にする』というメッセージを受け取った。学校や保育園には連絡済みだそうだ。どこへ行くのですかという問にH市と沖縄という。H市へ沖縄旅行の前後に寄るのは子供達3人を陽庵のオルネンコさんに預けるためだ。オルネンコさんも9日間もあの3人の男の子の24時間保育はたいへんだっただろう。彼は、度々フェイスブックに写真を投稿している。両親の沖縄旅行の間に子供達を遊ばせている写真やビデオもその頃投稿されていた。マハが、ウクライナの旗を持ち『ウクライナに光栄あれ（敵には死を）』と叫んでいるビデオが何枚も載っていた。この頃、私はこのウクライナ戦争について1年前とは全く違う意見を密かに持っていた。戦争に正義はない，あるのは犠牲者と得をしているグループ（国際金融資本とかゼネコンとか言うそうだ）だけだ、と確信している。だから、テレビ報道番組などで、ウクライナがどこまでロシアを押し返したか押し返されたかという戦況報告も、本気で聞いていては馬鹿馬鹿しい。だが、その報道の間から事実のほどが見て取れるかも知れない、と思って、つけている。 日本滞在中に1週間の沖縄とその南の島巡りをしてこようとは、かなりの額の支援金を受けている避難民なのか、日本に来る旅行者なのかわからない。彼らの1週間の沖縄旅行と聞くと、たいていの日本人はあっと驚く。あきれる。顔を逆なでされたような表情になる。しかし、それは個人の問題だから、非難はできない。だが、みんな内心では、反感を持つ。 |
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| 23、テレビの取材 | ||||||||||
| 2023年7月初め、テレビのデレクターという女性から、これから8月頃まで取材に入ります。ご迷惑をおかけします、と挨拶があった。テルリス一家はマスコミにとって話題性がある。地方新聞の地方版にもよく載っているらしい。そのディレクターは前にも来たことがある。丁寧に挨拶された時、私は彼女に最初からずっと隣にいて，いろいろお世話もしてあげました。手記もあります、と言った。是非読みたいと言われたが、マスコミが書きたがる『けなげな避難民一家』という線からははずれた内容だ。だから、この手記に目を通すのは、私の偏見と誤解があるかも知れない見方に影響される。取材はあなたが見えるところだけ行った方がいいかもしれません，と言って、断ったのだ。取材が終わるころ、参考のために送りますと言った。ディレクターはその通りだと返事した。しかし、ちらりと「恋人のことも」と私は言った。 その次の日、セミョーンから、自分達を中傷するなら訴えるという長文のメールが届いた。これはただの脅しで、実行すれば、火のないところに煙は立たないと言うことを証明することになるし、彼には不利だ。（反対に私は恐喝されたことになる）。彼はある程度知っていて、それに対する自分の対処の仕方をしようとしている。それは私を黙らせることかな。訴えると言えば、相手が引くと思ったのか（それはウクライナ流ではあるまい）。私はこういうことになったので、石川県国際課に相談に行きますとマリヴァにSNSで送る（実はそれは私側からの脅しだ）と、その必要はないという返事。そうだろうな。
ちなみに、その頃、アツシが金沢に来た。マリヴァから、わざわざアツシがここに泊まってもいいですかという口上での問い合わせが、ちょうどセミョーンと私が話しているときにあった。 私「えっ、どこに？あの2階に泊まるのですか」。 マリヴァ「いえ、ガレージの2階です」。 私「泊まれるような状態の部屋ではないですよ」。 マリヴァ「いえ、ただ泊まるだけですから」。 しかし、実際に泊まっていったのか、テルリス一家に会ったのかどうか知らないが、アツシから私と話したいというメールが2度あった。時間が合わなくて断った。アツシのSNSには 自分とマリヴァはただの友達だと、わざわざ書いてあった。子供でも老人でもないのに幾晩も一緒に過ごしてただの友達ですか、と書いたが、それには返事がなかった。「セミョーンが私を訴えるとか言っています。そうなったら、あなたにも問い合わせが行くかも知れません」と書いたところ、「無視すればいいです。どうせ彼らは支援金がなくなれば、国に帰るでしょう」というアツシのあっさりした返事。その通だ。 アツシとマリヴァのことは、周りの人たちの多くが知っている。家の中のことは伝聞でしかないが、夜間や早朝にも車が度々止まっていたと言うことは，伝聞ではない。アツシとマリヴァのことを知った人たちはフンと嘲笑しただけで、子供達のことだけ心配しているようだった。誰も夫のセミョーンのことは心配しない。実際、男女が仲良くなってどこが悪い？それはただのスキャンダルだ。 すこし前のことだが、せっかくウクライナ人が身近にいるのだから、ウクライナ語を始めようかと初級の本を買ってみた。私が日本語を教え、テルリスさんがウクライナ語を教える交換授業はどうですかと提案してみた。彼らは賛成、週2回もやりたいという。しかし、『訴訟するぞ』事件があったので一度もすることなく取りやめになった。代わりに別のウクライナ人に頼んでみた。このウクライナ人も避難民の一人だが、彼は日本の大学で数学を勉強したがっている。（戦争がなければ、18才のウクライナ男子が支援金付で日本に滞在することはできなかったと、彼自身も自覚している） テレビの取材は、たった25分の放送なのに、何度も来て、何時間も取材していたようだ。もちろん、学校にも、保育園にも、両親の勤め先の量販店にも行ったのだろう。取材は，シンジさんにもするそうだ。なぜなら、マリヴァが夫の来日前の寂しかった時期、シンジさんとの友情が慰めになったそうだから。しかし、アツシとの（愛情の）間違えではないのか。（シンジさんの取材に関しては後述） テレビ番組の仮題は『ウクライナ少年マハの夏』とか言うのだそうだが、マハが来日以来学校関係のボランティアの私がいなかったら、これだけ適応したかどうかわからないのではないだろうか，と思うと苦々しくなるので、切り離すことにしている。私がいなければ、ボランティアで毎日彼の横について世話をした他の日本人も現われたことだろう。ロシア語をしゃべり、学校についても詳しいボランティアもいるだろう。私はたまたま、マハの宿題や連絡帳を見てやって、ちいさい子供のウクライナなまりのロシア語もかなり理解できるようになった。しかし、外からは決してわからない、アツシの役割のことも私がわかると言うことになってしまった。マハは、自分にはアツシという遊んでくれたり、いろいろなところに連れて行ってくれる人がいると自慢したかったのだろう。マハは見事に日本の学校に適応できたが（学級担任の努力もある）、同時に、マリヴァとアツシのことも私に知らせることになってしまったのだ。また、マリヴァの家事嫌い・育児嫌いのことも、私に知られてしまったのだ。 そのテレビ番組を見ようとは思わない。マハが反戦の絵を描いているところから始まるのかどうか知らないが、感情に訴えると、どんなものでも制作者の意図のまま視聴者を感動させることができるとも言う。 |
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| 24，個人情報 | ||||||||||
| この『クラスノヤルスク滞在記と滞在後記』という私の旅行記では、出会ったロシア人の名前はすべて本名で出ている。写真もはっきり出ている。このホームページの手記は自分の記憶のために書いたものだからだ。ロシア人からそれは不都合であるというクレームはない。この『ウクライナ母子』もそのつもりで書き始めたが、人物はすべて日本在住なので、名前はすべて偽名にし、写真もぼかしを入れた。これではあまり自分の手記らしくなくなった。この手記もヴェブネットに出しているのはそれまでの『クラスノヤルスク滞在記と後記』の続編にあたるからだ。電子媒体となっているため訂正が容易であることと、紛失しないことが便利だ。誰かに読んでもらうために書いていると言うより、自分のために書きたいことを書きたいだけ書いているので、閲覧者は滅多にいない。私は見たり聞いたりした事実を書いているのだが、できるだけ面白く書こうと努力している。ページの右上の『作者へのメール』当てに以下のような閲覧者の声もきている； 『現在、ウクライナの方と一緒にお住まいということですが、感服いたします。やはり国が違えば、文化や考え方が違うということなのでしょうか 。避難民の方は日本人や日本文化に興味があって日本に来るわけではないので、一層付き合い方が難しそうですね！ 2023年7月になってアツシから度々連絡があったとは、前に書いた。NHKのディレクターに、私が彼らと関わることになった経過など書いたものを渡しましたが、アツシさんにも送りますかとフェイスブックのチャットに書いたところ、『自分はもうマリヴァには興味も関心もないから送らないでほしい』と返事があった。あなたのことも書いてあると返事すると、『是非読みたい』ときた。送付前に、多少の訂正をした。やや嘲笑的に書いてあったからだ。彼からは、クレームが来た。尤もだと思ったところはクレームのとおり、訂正した。しかし『除雪している自分の写真は出さないでほしい』と、『自分の車の写真は出さないでほしい。あの車は自分のではなく親のものだから』というクレームは、聞き流した。除雪しているアツシの写真は顔も体も全くわからない。車の写真はナンバーはぼかしているし、第一、ウェブマップで彼の住所を出せば、道路からのいろいろな方角で彼の家が写っているし、同時に駐車してある車も見える。親の車だと言うが、いったい彼は親に内緒でマリヴァに会いに来ているとでも言うのか、39才にもなって。 今やマリヴァに興味も関心もないというアツシにサイトのURL を教えなければよかったが、彼はそれをマリヴァに転送したらしい。怒ったマリヴァは私とのチャットをブロックしたが、これで、彼女は私に，日本語解読の質問はできなくなったし、私は外部から緊急でかかってくる電話を、マリヴァに伝えなくてもよくなった。 次のクレームはシンジさんからで、彼はアツシからの転送がマリヴァに来たとき、ちょうど彼女宅に在宅していたらしい。Ｓ症患者の罵倒らしい文面だった。その文面を私から転送された知り合いは、こんな文は生まれて初めて読んだというしろものだった。しかし、語彙はそれほど豊かではない。 マリヴァの親友としてシンジさんの取材もすると言っていたテレビのディレクターに、誰を取材するのも自由だが、彼との取材は私の敷地内では行ってほしくないと、シンジさんからのメールのスクリーンショットを添付して申し出た。ディレクターからは承諾の返事が来た。 アツシからはその後、この手記はマリヴァの意見も聞いて書くべきだ、というSNSがきた。私の手記は、雑誌の記事ではないから、主観的に書いても客観的に書いてもいいのだが、その後マリヴァからクレームが来た。『自分がダンからセミョーンを奪ったというのは間違いである』、『テルリス家の金銭状態の記述は間違いである』など、我が家の玄関先で早口にロシア語で言ったので、それ以上は聞き取れなかった。初めのクレームに関しては、事実は知らない。当時彼らと近しかった寺山さんや宮田さんから繰り返し聞いた話で、それは文面で断ってある。マリヴァ家の経済状態については、初めの賃貸契約書を結んだとき、日本財団からどれだけの補助金が出るか、と説明してあげたほかは正確には知らない。また最初にマリヴァが量販店で働くと言うとき、契約書のようなものを訳してあげて、彼女の当初の時給を知った以外は知らない。ウクライナのカードで引き出しているというのは、初めの頃、ATMなどに説明のため同行したとき、彼女自身が言ったことだし、キエフやイルピンの住居貸し出しのことは、別のウクライナ人が口を滑られたことだ。私の言葉としては書いてない。 それ以後、私に情報が漏れないよう、マリヴァもアツシもオルネンコさんも、フェイスブックをブロックした。本当は、これ以上は知る必要もないし、この手記もここらで完結させたい。SNSでマリヴァと連絡取らなければならないことは、私の方にはない。（これ以後に来たマハの歯科医からの連絡を、私はもう知らせなかった）。だが、セミョーンにはさすが、マリヴァは私の手記を見せなかったらしい。だから、私の手記に対するセミョーン自身からのクレームはなかった。彼とのフェイスブックも2023年8月22日まではブロックされていない。 |
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| 25、F市のかっての支援者からの情報 | ||||||||||
| 次の情報は、F市のまち子さんからだった。彼女は、2022年の8月頃、私の痛烈な批判と揶揄に腹を立ててチャットをブロックしていたので、突然の非通知通信だった。そんな電話は取らなくてもよかったが、一応通話ボタンを押すと，彼女が名乗った。名前を聞いてこんなに久しぶりにわざわざ非通知通信でかけてきた理由はすぐ見当がついた。しかし、彼女は、暑いだの、エアコンだの、電気代だの、北陸は電気代が安いだの、非課税家族には補助金が出ただのとか言う話を長々とする。F市を訪れたオロネンコさんに会って栄養指導したとか言う話も延々とする。ついで私相手にも夏場の栄養知識の披露もする。何時間も長電話でおしゃべりして過ごす人もいるだろうが、私は、電話は、緊急な要件のみで、おしゃべりしたければメールを書けばいいと思っている。メールではなく直接電話で込み入ったことを話したいという人は、礼儀として、前もって電話してもいい時間を教えてほしいと書いてくる。まち子さんのように突然電話して勝手な長話をしないものだ。しかし，この時は、まち子さんの長話を辛抱強く聞かなければ、彼女からの情報は得られないだろうと思って我慢した。 しかし、それでも、電気代や栄養指導の話は早く切り上げて本題にいってほしいとイライラしてきた頃、やっと彼女は避難民と難民は違うという話を切り出した。確かに、難民には定義があるが、避難民はウクライナ戦争が起きてからの曖昧なカテゴリーだ。避難民というのは爆撃を逃れて逃げ回っていた人達ではなく、例えば、化粧品の寄付を申し込まれたとき『私はゲラン･コスメしか使いません』と断るような人たちのことだという。（人ごとなのに得意げに高級ブランド名を言うまち子さんの話を聞いて、私は後からわざわざ『ゲラン』をネットで調べたくらいだ）。まち子さんは、マリヴァと実は前々から文通をしているが、彼女は『普通の主婦』と違って野心家で、ウクライナにいるときもコンサルタント社を立ち上げて成功していたのだ，と普通の主婦のまち子さんは言う。さらに、彼女の言うには、テレビ放送でウクライナ戦争を見て、助けてあげなくては、と思われるような人たちと、マリヴァのような『避』難民は異なっていて、（並の日本人より贅沢をして）高級品を使い、レジャーを楽しんで当然だ、と言う。なぜなら、今までウクライナで築き上げてきた地位を失い、慣れない土地で生活している様な人だからだ。（故国で貧乏だったような）『難民』は（治安上）日本にあふれては困るが、『避難民』は別格なのだ，と言う（まち子さんの言いたいことをまとめると，そういうことだ）。 ゲラン･コスメを使おうと、1週間の沖縄旅行をしようと夏の富士山登山をしようと、それは、避難民として禁止されていることでも、ましてや犯罪行為でもないことは，当然だ。個人の自由だ。だが、それを聞いた普通の日本人の私の知り合いは、みんなあきれるか、腹を立てていた。許されない行為だとは誰も言わない。だが、みんな顔を逆なでされたような表情だった。 2022年の夏頃には、F市で避難民ボランティアをやっていたまち子さんは、知り合いからどれだけ『不要品』を集めて寄付したかなど、フェイスブックで自慢していた。マリヴァも、当初は段ボール20箱の子供服の寄付があったものだ。 マリヴァ達『避』難民とは、かなりの額の支援金を受け取り、『かわいそうな人たちだ』と誤解をした日本人から宅急便で寄付の品々（ゲラン･コスメなんかではない，普通の品々、農産物や、中古のおもちゃや服など）を受け取り、市民として社会保障は非課税世帯並みにうけ、せっかく日本に来たのだからと日本の観光名所などを巡り、ボランティア（その一人が私だった）の援助は遠慮なく受けている人たちのことか。マスコミでは、戦禍から逃れ、けなげに生活を送っていると賞賛されている人たちのことか。まち子さんの言ったことで、意外だったのは、｢自分が知っているところでは、ウクライナ避難民とその保証人の関係はうまくいっていない、場合もある｣だった。保証人が親戚の場合も、親しい友人の場合もある。親しい友人の場合は、こんなに世話をしてあげたのに、感謝されない。尊大な態度で接しられる、と言うのもあるだろう。2023年8月現在では約2500人のウクライナ避難民のうち10パーセントは何らかの理由でウクライナに戻ったとか。 しかし、まち子さんが突然電話をかけてきて、長々と前置きばかり述べていたが、本当の言いたいことは、マリヴァ達（多分）の個人情報違反で罰金20万ですよと脅かすためのようだ。そこまで言わせるのに、私は、来訪者があるから、用件を早く言ってほしいとせかしたものだ。彼女は、来訪者の件を済ませるまで通話中のままで待ちますとも言ったが、それには及ばない。それでは私の所にかかる電話が取れない。それで、いい加減に私の方から切ったのだが、ゲラン･コスメの話と野心家の話は面白かった。テルリス家とは関わりたくないと思っている私にこれ以上の面倒があったら困るので、個人を特定できそうなものは、消すことにする（その時までは、本名で書いていたのだ、苗字ではない）。まち子さん（らしい人）からその後も非通知通信で電話があったが、取らなかった。SNSがあったがブロックした。シンジさんやまち子さんのような人は相手にしないのが一番だ。もっとも、相手にしていれば、もっと長い興味深い後日談が書けたかも知れないが。しかし、そこまでいけば、私の旅行記にはずれる。 |
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| 26， 富士山と賃貸契約 | ||||||||||
| 7月末から8月初めにマリヴァとセミョーンは3人の子供を、またもやH市のオルネンコさんに預けて、富士山登山に出かけた。それは日本へ来る外国人『旅行者（避難民でも難民でもない人たち）』の定番だ。富士山登山は、いかにも彼ら『旅行者』の考えそうなことだが、実際に頂上まで行ったのかどうか知らない。山麓の観光地で眺めていたのかも知れない。と言うのは、同時期、マリヴァの親友で関東に住むことになったオリガ（当初は，我が家の別棟は広いから一緒に住もうと計画していた）が、フェイスブックに富士山麓へ行ったという写真を載せていたからだ。しかしオリガの写真は子連れだったから，富士山麓で両家は会っただけかも知れない。その後、マリヴァとセミョーンは富士山登山を決行して、日本滞在の記念にしたのかどうか知らないが。 ともかく、沖縄7日間の旅行にしても、富士山登山にしても、私はとても苦々しく思う。富士山の方は批難されるかと私には行き先は明かさなかったが、オルネンコさんのフェイスブックでわかったのだ。安くない支援金を支給され、非課税世帯並の社会保障をうけ、（避難民はかわいそうと思う）大勢の日本人から物品の寄付をうけ、（私も含む）周りの人たちのボランティアのおかげで、日本の生活に適応し、ウクライナと日本のいいとこ取りをしているマリヴァとセミョーンは、勝手に暮らせばいい。誰とスキャンダルを起こそうが、どこへ行こうが、知るだけでも不愉快になる。私が偽名とぼかしで何を書こうが、誰かから｢個人情報侵害｣と嫌みを言われたくないものだ。（面白おかしく書いたフィクッションと変わりないとする。） ＜レールモントフに『現代の英雄』という文学作品がある。その中で、主人公と対比され批判され揶揄されているグリシニーツキィと言う士官候補生が出てくる。しかし、その士官候補生のモデルが自分にちがいないと言って，レールモントフにくってかかったと言う逸話を僭越にも思い出された＞彼らがレジャーを楽しむのもいいが、8月1日からの2期目の賃貸契約書記載の敷金は、すぐに払えないから、待ってくれなどという、8月中には払うように努力する、とか言う。（ウクライナ人やロシア人が『努力する』というのは実現可能性51％はあると言うことだ）。敷金などは、ゆっくり払えばいいと思っているらしい。敷金とはウクライナにはないのか。日本では礼金を取るところさえもある。自分たちのレジャーの費用はあっても、賃貸契約書の項目は守れないのかと、連帯保証人になっている宮田さんに文句を言う。 しかし、今や宮田さんは自分の生活と交友関係からか，以前とは標的を変え、寺山さん派、セミョーン派になってしまって、おざなりの返事しかよこさない。やむなく、セミョーンさんにSNSで、契約書の項目は厳守するように、8月5日までには必ず支払うようにと書いた。厳守しないなら契約解除にでもなると心配したのか、富士山から帰ってきた翌日に、マリヴァが支払いに来た。おお、感心感心と、我が家の菜園で取れた新鮮なトマトを一かごあげた。『ありがとう』と言われた。 |
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| 27，それなりに興味深い不調 （未完） | ||||||||||
| 2023年3月に我が家の敷地内の別棟にマリヴァ達と住むようになった当初から、セミョーンは礼儀を逸するほどとげとげしかった。自分たちの生活に口を出すな、自分たちのデマを流すな、自分たちの生活を窓からのぞき見するな。と言い続けている。
多分、マリヴァが彼の来日前に、アツシのことは、本当のことは言わずに、私から干渉されるとか書いていたのだろう。私はセミョーンの来日前に、マリヴァから、アツシのことは言ってくれるなと頼まれている。アツシの件は個人的なことだから、セミョーンには言わないと約束した。 セミョーンは、50才を過ぎたいい年をした男性にしては言動が幼いところがある。
・ セミョーン「窓から私たちをのぞくのは止めてください。あなたは、それをこっそり行っているつもりでしょうが、みんなに見えています。子供たちにも見えていて怒っています」。借家は庭に向かって長い縁側があって、全面ガラスになっている。そんな民家が気に入ってこの家を借りることにしたはずだ。のぞくなと言われたって庭を通れば見えてしまう。 ・ 私「庭に散水はしなくてはなりません。室内のあなた方については興味はありません。朝、会ったらおはようと言います。どうして無視したのですか。あなたは何考えているのでしょう」（窓越しに目が合ったら挨拶すると言う意味） ・ セミョーン「今日私はあなたを見たわけ（目が合ったわけ）ではありません。散水はあなたの権利です（権利や義務の問題ではない）。窓からのぞくのは、私たちの権利の侵害です。私たちの子供達は、あなたがそれをしているのを何度も見ています。私たちも見ています。窓からのぞくのは止めてください。もう一度言っておきます」 ・ 私「自分の庭をいつ歩き回っても、歩き回らなくても、それはあなたに関係ありません」 ・ セミョーン「私の言ったことにごまかしをしないでください。散水しようが歩き回ろうがあなたの権利です。窓からのぞくのは私たちの権利の侵害です。それは道徳的に低劣なことで、法律的にも違反行為です。もう一度、はっきり言います。窓から私たちをのぞくのは止めてください」 ・ 私「自分の庭を、いつ歩き回るか、歩きまわらないか、あなたの知ったことではありません。他人のことに口出しをしないでください。私が自分の庭で何をしているか、スパイしないでください。この家は、広い縁側と窓があるように建てられているのです。あなたは自分が道徳的に高尚だと思っているのですか。もう一度はっきりと言います。私が自分の庭を歩き回るか歩き回らないかを，スパイしないでください。日本では自分の所有地に関して権利を持っています」 実は、昼間は外から中はほとんど見えない、誰かが窓のすぐ近くまで来れば、外からでも見える。反対に、中から外はよく見える。 数日後、彼らの許可を得て、留守中に彼らの家に入ることがあった。仏壇が彼らの家（母屋）にあり、命日にお参りしようと思ったのだ。その時、私は、縁側のカーテンをしっかり閉めて出て来たのだ。そしてSNSを打った･ ・ 私「カーテンを閉めておいてください。あなたが密かにカーテンの隙間から、私が自分の庭でしていること、つまり、水まきしたり歩き回ることをのぞき見しようとしまいと、それはあなたの勝手です。庭で私がどちらの方を見ているか、あなたの窓の方を見ているか，反対方向を見ているか、それをあなたがカーテンの隙間から観察しようとしまいと、それはあなたの勝手です。私はあなたがカーテンの内側でこっそりと外を眺めていようと叫び声を立てていようと、何をしていようと関心はありません。ちなみに、先日、私が散水していたとき、（縁側の植木鉢にペットボトルから水をやっていた）マハと、目が合いました。私が手を振るとマハも手を振ってくれました。日本では朝会ったときはおはようと言います、決して窓からのぞき込まないでください、なんて言いません。しかし、今やカーテンを閉め切ることにしたので、もう，習慣に関する齟齬はありません」 しかし、早くも次の次の日は，朝、散水に庭に出てみるとカーテンは開いていた。 ・ 私「おはようございます。セミョーンさん。すみませんが、カーテンが開いています。これは、家の内部を私に見せるためでしょうか、それとも、あなたが中から、私が自分の庭を歩いているのを観察するためでしょうか」 ・ セミョーン「いいえ、縁側にある植木鉢の植物に日光を当てるためです」。ちなみに、縁側に並べるための植木鉢用の2段になった棚を最近あげたのは私だった。それに乗せて縁側に並べてある。 ・ 私「わかりました。つまり植木鉢の植物越しにお互いに覗いたり観察したりできるわけですね」 ・ セミョーン「私たちはあなたが動き回ることや，あなたの私たちの家族についての意見には、全く興味がありません。私たちの家族に干渉することや、私たちの家での生活に興味を持つのを止めてください」 ・ 私「セミョーンさん、私が自分の庭で何をしているかに口出ししないでくださるようお願いします。また、あなたの縁側の下の部分の庭の除草をしてくれるわけにはいきませんか」 実は我が家は町中の民家にしては広い庭がある。那智石を敷いたいた疑似池（石の間から雑草が生える）、石灯籠が何個も、大小の石を使って高低を造り、大小の木が何本も、そして地面には苔（スギゴケなど）を生やしている。本格的に世話をしないのでずいぶん荒れてはいるが、それでも日本庭園らしい趣で，奥の民家が古いことをカバーしている。庭は大石や小径などによっていくつかのエリアに分かれているが、縁側から眺めるエリアが最もそれらしく造園されている。ここの苔に散水するところをいつも見られているわけだ。私の方からも、カーテンが開いていれば、当然並べてある植木鉢や、それにペットボトルで水やりをするマハの姿が見える。 ・ セミョーン「すでにその質問に対しては応えている。繰り返したくない」 ・ 私「除草をするのはいやですか。あなたの窓の下の部分ですが」 この夏は暑くて、庭中が雑草畑になってしまった。例年は私が根気よく何日もかけて除草しているのだが、この年は私も力が尽きて、シルバー人材センターと言うところに電話して，手むしり作業をしてくれる人を頼んだのだ。ちょうど、担当者が作業しているところに通りかかったセミョーンに私は，縁側下の部分もやってもらいますか、と聞いた。私も一緒に除草していたのだ。セミョーンは｢ただですか｣と言うので、｢もちろん有料です｣、｢それならいいです｣と言う対話があったのだ。そのロシア語の対話を、作業していた人材センターの人に訳してあげると、彼らは腹を立てていたものだ。 ・ セミョーン「子供達と一緒に草むしりをしたことがあります。続きは、私たちに可能になった私たちの都合のよいときにやります」 ・ 私「それはいつのことですか。（庭の他の部分はすべて除草されていますが、あなたの受け持ちの）縁側の下の部分だけ雑草がはびこっていますよ」 返事はなかった。 のぞき見は道徳的に低いと説教された私は、すこしは言い返してもいいと思った。 ・ 私「もし、あなたがしつこく『干渉しないでくれ』というなら，私が自分の庭を（覗いたの覗かなかったのと言われることなく）自由に歩き回れるよう、カーテンを閉めておいてくれるよう，もう一度お願いします」。 ・ セミョーン「あなたが自分の庭を自由に歩くことは誰も邪魔しません。自分の家のカーテンを閉める閉めないは自分が決めます。ただ私たちに干渉しないでください。私たちの生活を乱さないでください。また、もし、時々私があなたに応える必要がないというような失礼なことは書かないでください」（それなら、最初から窓からのぞくななど言わないでほしい。始めたのはセミョーン自身ではないか） ・ 私「あなたの到着の最初からあなたの失礼さには気がついていて、不愉快でした。マリヴァからはありがとうという言葉は聞きますが、あなたからは一言も聞きません、不愉快なこと以外は」 確かにマリヴァからは、無礼なセミョーン来日後も、私が庭のトマトを持って行ったり、子供の世話をしてあげたり，日本語の解読をしてあげたり、彼女の必要なものを貸してあげたり、日本語で電話をかけてあげたり、そのほか無数の細かいことをしてあげたときは、ありがとうと言われた。日本人同士のように何かおかえしをもらうわけでもなく言葉だけだが、それだけでも言われないよりはましだ。（マリヴァは到着の最初から『ありがとう』の言葉ぐらいは、一応かけてくれたものだ） ・ セミョーン「私の家族についてあなたがついた多くの嘘、中傷、デマ、ごまかしを考慮しても、それから、あなたが私たちについて異常な悪口を書き続けていると言うことからも、私はあなたと距離を保ち、できるだけ少なく接触したいというのは，私の最上の礼儀正しさの表れです。これらの汚れたことや私たちに対する態度のために、ありがとうとは言えません。あなたも、私に感謝を要求する権利などありません」
しかし、マリヴァ達が日本に来て、宮田さんが諸手続きをして以来、近くに住みロシア語で話が通じる私がひとえに世話をした。つまり、かまってあげた。通訳、ガイド、運転手など、大げさに言えば、ボランティアの私がいなかったら、日本の生活に適応できたか、どうかと言ってもいいくらいだ。それを当てにして、この家を借りたのだろう。もちろん、私がいなければ、誰かが助けてくれたかも知れない。マハの学校も、テレビが『けなげなウクライナ少年』という題で取材しているが、学校にそれなりに適応できたのも、初めは学校に付き添い、その後は宿題と連絡帳を見てあげて、ロシア語ではマハとお互い話せたボランティアの私のおかげではないだろうか。 （ある記事によると、マリヴァは来日後1ヶ月ほど経った頃、すごく孤独感を感じたそうだ。来日当初の感激や喧噪が収まった頃だから、誰でもそうなるだろう。だが、色男アツシが、時期よく現われたではないか）。 セミョーンが来日するまでは、私はどっぷりと彼らにかまっていたことになる。来日前にマリヴァのゴミ屋敷の大掃除までしてあげた。マハの1年生が終わるまで宿題と連絡帳を見てあげていたが、続けてほしいと学校側からもマリヴァからもセミョーンからも言われたものだ。しかし、マハが毎日我が家に来て私といろいろ話していたおかげで、外からは決して気がつかない、アツシとの関係も、わかってしまったのだ。夜、アツシがマリヴァの家にいることなんか、いくら広い窓と言っても、見えるものではない。だから、アツシが家で何をしていたのかはわからないが、彼の車が一晩中駐車していたことはわかっている。そしてマハも、自慢半分に教えてくれた。 『窓からのぞくな』事件の前までは、それでも、ガレージの上窓ガラスが落ちて割れたので直してもらった。菓子折をお礼に贈呈した。下水から水があふれて困るから見てほしいとか頼んだものだ。（彼は直すどころか蓋を壊したが、新しい蓋は折半で購入した）。 しかし、8月13日のセミョーンの『嘘、中傷、デマ、ごまかし』の後は ・ 私「恥ずかしいことを言わない。カーテンは閉めておくこと。自分の縁側下の除草はすること」と書いた後、「ロシア語であなたとの文通は私には皮肉な意味で興味あります」と送った。すると、 ・ セミョーン「自分の家で何をするか指示しないでください（カーテンのこと）。重大な事項以外はこれから連絡しません。何か緊急の場合は、電話するか、ドアをノックしてください。ではごきげんよう」これで、終わったつもりらしい。 その後、朝夕の散水の時には、私の姿が中から見えるよう、長めに縁側の外の苔に散水している。実際、外から中はほぼ見えないのだ。中から外はよく見える。植木鉢に水をやりに窓の近くまでくるマハは、外からでも見えるので手を振っている。 大人げない文通が続いている。仏教僧でウクライナ兵士だったセミョーンが、やっと家族の元へ来られたという地方版の新聞記事が度々でていた。2022年6月の初めてのフェイスブックでの彼のお知らせも、仏教僧と出ていた。寺山さんのセクトだ。寺山さんのセクトといえば、オルネンコさんという避難民の仏教僧が、Ｈ市の陽庵にいて、テルリス夫婦が沖縄などへ行くときは子守を仰せつかっている。彼のＨ市での評判は悪くないそうだ。政府支援金を受け取り、お布施で生活しているらしい。 セミョーンの「嘘、中傷、デマ、ごまかしの張本人である私には感謝どころではない」というメールを読んで、何を根拠にそう言い張るのだろうと思っていた。嘘だというなら、真実はこうだと言わなければ、その嘘が証明できない。彼の思い込みの見当が付かないこともないが、しかし、彼の言動は大人ではないのが不快だった。（それにまともに対応した私も、かも知れない） それで、彼が、依って立つとおもっている所を突いてみたくなった。『あなたが仏教僧というのは本当ではないでしょう』と揺さぶってみたのだ。さすが、すぐに彼らしい返事が来た。 セミョーン『あなたは宗教を尊敬していないくて、宗教とは何かわかっていない、仏教僧とはどういう人であるかもわかっていない。数百人の人々が、私が32年間の間仏教僧であることを知っている。また、私が全ウクライナ仏教センターの指導者であることも知っている。ところがあなたは、嘘をつくこと、誹謗をはくこと、噂やデマを飛ばすことしかできない。そのことで、あなたがカルマと法で罰せられることを願う。 フェイスブックからあなたの名前をを消去します』。 彼が大人ならば、3月まで直接あったこともない私が『うわさ』を広げているが、それはどんな根拠があるのか、と、まず私に尋ねただろう。私はマリヴァとの約束から、知らないと言わなければならない羽目になっただろう。あるいは約束を破って、実はこうでしたと言ったかも知れない。宗教に関しては、彼と寺沢さん達が2023年サミットのある広島に行って太鼓をたたいていたという新聞記事しか知らない。仏教については、もし、ロシア語で対話したとしても、そこそこに私は答えられる。しかし、セミョーンとは、宗教に関してどんな話もしたことがない。仏教僧と名乗る彼のセクトはどんな生き方をしているのか、宗教として迷える魂をどう救おうとしているのか、聞いたこともない。ちゃんとした仏教僧は彼のようなことは言わない。呪いの言葉など吐かない。自分は全ウクライナ仏教教会の指導者であるとは、セミョーンは度々ファイスブックなどに繰り返している。一応、ウクライナ語のページでウェブネットを調べてみたが、仏教も多くの宗派があって、ウクライナ語では、彼のセクトらしいのは載っていない。仏教センターと繰っても、別の宗派だった。ウィキペイアで『ウクライナの仏教』とくると、いくつかの宗派が載っていて、その一つが、彼の仏教Ｓ派らしいが、その宗の一派の仏教センターについては載っていない。指導者が不在では、機能しないだろう。その指導者が、発祥元の日本へ来て仏教の勉強をしているのか。あるいはお布施集めをしているのか（宗教あるところお金が集まると言うから） 彼の師という寺山さんがフェイスブックに上皇様へ上奏文というのを載せていたので、読んでみると、・・・パスワード付ページ（5）へ 仏舎利をウクライナに建てるという話にのってくる日本人もいるらしい。セミョーンは並のウクライナ避難民ではないのだ。日本へ来てただ避難民としてウクライナへ帰っただけなら、来た意味がない。マリヴァにも野心があるそうだ。 |
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